+++ お題23:永遠



「悪ィけど、俺、永遠って信じてねぇんだ。」

眉根を寄せながら、にへらっと笑ったデュオの顔。
ばくんっと、心臓が高鳴った。
するりと風にのって飛んでいってしまいそうなデュオの、細い手首を掴む。

「デュオ。」

「何?」

本能だった。
ただ衝動にかられて、無意識のうちに掴んだ。
でも、本能でこの手を離しちゃいけないと思った。
それが何故かはわからないけれど。

「………いや。」

「じゃ、はなしてくんねぇ?」

再び困ったように笑うデュオ。
癖なのだろうか。
デュオの、こんな笑顔。

困った時も、怒った時も、淋しい時も、悲しい時も、辛い時も。

いつだってデュオは笑顔で表現する。

「…なんで…そんな、顔をしているんだ?」
「そんな顔って…。」
「笑うな。」
「笑うなっていったって…笑うしか…ねぇじゃん。」

そんな泣きそうな顔で笑うな。

声がでなかった。

するりと自分の手からデュオの手首が逃れる。
はらりと、舞うように。
デュオの身体が翻って。

「永遠なんて、都合のイイ言葉、信じねぇよ。」

永遠にこんな時が続けばいいと。
思ったことは数知れず。
それでもそんな時が永遠に続いたことなんて、今まで1度も無かった。
唇を噛み締める。

「デュオ。俺はっ…。」

「永遠を信じる?」

くるりと振りかえったデュオの、バカにしたような瞳。
にへらっと笑って、デュオは再び俺に背を向けた。

「信じていない。だが、そんな約束になんの意味がある?」
「何言ってんの?」
「最初から永遠なんて約束になんの意味が有る?意味があるのはそれを真実にできるか。それだけだ。」

くるりとデュオが振りかえる。
下唇を噛み締めて、拳を震わせて。
ふるふると小刻みに揺れる、デュオの肩をそっと掴んだ。

「結果論だろ。それは。」
「結果が一番大事だ。というより、今が一番大事だ。」
「ばかやろー。俺が、折角………離れてやるって言ってんのに。」

小刻みに震えるデュオの、細い肩を抱き寄せる。
耳元で、デュオの熱い吐息を感じた。

「誰もそんなことは頼んでいない。」
「絶対後悔するからな!お前。」
「お前に惚れた時点で覚悟はしていた。」
「ほんっと、ばかだよ。お前………。」

背中に回されたデュオの手の震えが、愛しかった。



+++あとがき

意味不明。
折角の萌えお題なのに。
意味不明。
ってかデュオが弱い。
ヒイロがニセモノでもってキザ…(砂吐)

2004/06 天野まこと



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