ぷちっ…

「わっ、ご、獄寺くんっ!?!?」
ベットに横たわる綱吉の上に、獄寺が勢いよく覆いかぶさってくる。
自分を見下ろしてくる獄寺の、その瞳の色に、綱吉は思わずこくりと喉を鳴らした。
こんな獄寺の顔を、自分は見た事が無かった。
一言も声を発さずに、獄寺の指先が綱吉の服の裾から滑り込んでくる。
性急に身体をまさぐってくる獄寺の指の動き。
寄せられた唇が、自分の額に、頬に、触れてくる。思わずぎゅっと瞳を閉じれば、閉じた目蓋にも柔らかな唇が押し当てられた。
啄ばむようにちゅ。ちゅっとキスをされて、綱吉はぎゅっと拳を作った。
ばくんばくんと心臓の音が大きく響く。
そりゃ好きにしてなんて誘ったのは自分だ。
でも、こんな性急な獄寺は初めてで戸惑いが隠せない。
「ごくっ…あっ…!」
名前を呼ぼうとしたら、身体をまさぐっていた獄寺の指が、胸の突起に触れてきた。
指先で掠めるように触られたと思ったら、ぎゅっとつねられて、そしてこねくりまわされて。
「んんんっ…!」
今までも何回か獄寺に触られてきたソレは、最初の頃よりも敏感になってきてしまっていて、少しさわられただけでも体に電気が走ってしまう。
指の腹でこねくり回されるだけで、自然と身体が揺れた。
足のつま先まで力をこめて、綱吉は握り締めた拳を開くと、自分の首元に顔をうずめる獄寺の頭に腕を回す。
熱い吐息が首にかかって、どんどん、どんどんと煽られていく。
「ごくれらくっ…。」
「じゅうだいめっ…。」
組み敷かれてから初めて獄寺が出した声の、この上ない色っぽさに身体が震えた。
たまらない。
耳から入って脳に辿り着いて、そして体を熱く熱く痺れさせていく、獄寺の色っぽい声だ。
こんなときしか聞けない、甘く痺れる、低い声。
「ぁっ…!」
だめだ。身体が熱い。下半身に血液が集中する。
「ごくれらくぅっ…ん!」
誘ったのは自分のほうなのに、今、誘われているのは自分だ。
熱い吐息をもらしながら、熱っぽい瞳で自分を見つめてくる獄寺。
そんな彼を見ていたら、身体が熱を帯びて頭がびりびりと麻痺してくる。
「10代目…ほんっと、もー…どんだけ俺を狂わせれば気が済むんですか。」
真っ赤な頬で、この上なく色っぽい声で、そんなことを苦しそうに言ってくる獄寺。
綱吉は小さく笑った。
「俺のセリフだよ。」
寄せた唇に、柔らかな唇が重ねられる。
薄く開いた唇に、柔らかな舌が滑り込んでくる。
目の前が真っ赤で、頭がじんじんする。
与えられる熱に、おかしくなりそうだった。




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