ウントダ



獄寺君は指輪をたくさんつけている。
今日は五個。右手に三個と左手に二個。

かつん。

かつん。

ソレが一つずつ外されていき、ベットサイドのサイドテーブルにおかれていくのを、虚ろな瞳でみていた。

かつん。

かつん。

指輪が置かれていくにつれて、俺の心臓の音も大きくなっていく。

「十代目・・・。」

熱っぽい声で呼ばれて、耳の奥がとろけそうになる。
獄寺君の熱っぽい吐息と一緒に最後の指輪がサイドテーブルにおかれる音が聞こえる。

かつん…。

聞こえるその音は、カウントダウン。
彼が俺に触れるまでの、カウントダウンなのだ。
堪えきれなくなって、はやる気持ちに押されるように手を伸ばした。

「ごくでらくん。」

のばした手を彼が普段器用に沢山のダイナマイトをもつ手がつかんでくれる。
指輪はもうない。

指輪がサイドテーブルにおかれていくその音はカウントダウン。
彼が俺に触れるまでのカウントダウン。
普段指輪で固められたその指を丸裸にして、俺に触れるまでのカウントダウン。

指輪が外されていくにつれ、俺の鼓動も加速していく。



>>>戻る