■■■kiss 2



触れ合わせた唇に、可笑しいほどに力が込められて。
小刻みに震える唇に苦笑して、そっと手を伸ばしてその肩に触れたらびくりと小さく僅かに反応して。可笑しくて可笑しくて…そして愛しすぎて。笑い出しそうになった。

「悟空。」

微かに名前を呼べば、力の込められた唇が微かに和らぐ。
ゆっくりと力の抜けるその唇をぺろりと舐めて、そして舌をさしだした。

「ん。」
「?」

くいっと顎を動かして誘えば、悟空の金色の瞳がわけのわからないといった色に染まって。きょとんっとしたその瞳に、もう一度。舌をさしだした唇を突き出した。

「ん。」

もう一度促せば、気がついたのか。
一瞬でカーッと真っ赤に頬を染めると、悟空が恐る恐る舌を差し出し、俺のその舌に触れた。
柔らかなその舌が触れた瞬間、そのままその舌ごと唇をくわえ込む。
柔らかな舌と唇に噛み付くように口付けて。
口内を犯せば、少し戸惑うように舌を絡めて応えてくる悟空。

今までした、どんなキスよりも。
それはぎこちなく、そして拙く。

口付けながらじっとその悟空の顔を見ていると、真っ赤な頬をしたままぎゅっとぎゅっと目を瞑って。
その反応が震えるほどに愛しい。
震える小さな身体を抱きしめる腕に力を込めて。
苦しいのか眉根を寄せて、悟空が俺の胸を押す。

とくん。とくん。

と、ぴったりとくっついた胸から、その鼓動が伝わるような気がした。

「んっ…ふぁっ…。」

離れた唇が、酸素を求めて大きく開いて。
その瞬間を逃さないように、もう一度その唇を自分のソレで塞いだ。

「ごじょっ…!!」

苦しいのかしゃがみこもうとする悟空の股下に脚をいれて。
逃さないようにそのまま腕に力を込めて。

今まで触れた、どんな唇よりも柔らかく、甘い唇を貪る。

濡れたその唇を貪りながら、じっと悟空の顔を覗き込めば。
濡れた黄金の瞳が、虚ろに自分をみていた。

黄金の瞳。

ずっとずっと、同じ色だけを見つめていたその黄金の瞳が、今、俺の紅を映して。
同じ想いなのだと知ったあの時の、笑い出したいほどのあの幸福感。
いつも違うヒトを映していると思っていた瞳に、自分が映っていたのだと知ったあの日の幸福感。

ぞくりとした。
ぞくぞくと背中が粟立つ。

今までしたどんなキスよりも甘く、儚く。
愛しくて。

愛しい腕の中のその存在を、ぎゅっと抱きしめた。











キスシーンをたまに書きたくなります。
キスシーンの描写が凄い好きなんだ………。
『今までしたどんなキスよりも』って描写が書きたかったので、悟浄×悟空になってしまいました。
でも実はこのサイトは、三空中心悟空受サイトなんだ…。
でも悟浄×八戒も好きなんだ。

2005/01/12
まこりん




>>>戻る