| ■■■ 恋情 窓辺に寄りかかりながら、ふっと眼下を見下ろせば。 青と赤が揺れて、寄り添うのがみえた。 重なるその色のコントラストを、ただただぼーっと眺めて。 もう見慣れたその風景に、苛立つことすらしなくなった。 あんなに激しかった嫉妬心は、どこへいったのか。 否。 どこへもいっていないのだ。 今もこの胸につきつきとする棘の痛みと、ふつふつと湧き上がる醜いもの。 その存在を認めたくないだけ。 小さく溜息をつく。 もう1度。 小さく溜息をつく。 目の前が、揺らいだ。 窓に背を向けて、シャっ!と激しく音を立てて。 カーテンを締める。 下を向けば、耳にかけていた髪の毛がはらりと落ちて。 その青に目を叛ける。 目の前がぼやける。 目頭が熱くて、熱くて、喉の奥が焼けるように熱くて。 嫉妬。 今もかわらず、それは私の胸の中にすんでいる。 好きなのだ。 好きなのだ。 やっぱり、どうしても、好きなのだ。 最初はただの憧れだけだったのかもしれない。 ただの興味だったのかもしれない。 自分と同じ者への。 いつの間に、憧れと興味という感情が、恋情へと変わっていたのかはわからないけれど。 でもこれは、どう考えても恋情なのだ。 たとえ相手が自分のこの想いに気が付いていなくても、この想いを受けいれてくれることがなくても。 それでもこの想いは私の中で、日に、日に、大きく、量を増して。 私の中をソレで一杯にしてしまう。 一杯に。 いっぱいに。 いっぱいに。広がって。 広がって。 この身体じゃ、抱えきれない程に大きくなった時。 この想いは、一体どこへ。 迎えてれる人のいないこの想いは。 一体どこへ。 向かえばいいのだろうか? あとがき |