| ■■■ 君の熱 「んっ…。」 最初は啄ばむようなキスだった。 ソレはだんだんと息苦しい、深い深い口付けにかわっていて。 息苦しさにからか、絡められた舌からか、頭の芯がぼおっとしてくる。 恥ずかしさからなのか、それともやはり息苦しさからなのか。 頬が熱くて燃えるように身体が熱くて。 「フェイト…っ…!!」 爪を立ててフェイトの肩を掴んでもビクリともしない。 それどころか熱く潤んだ瞳で、自分の瞳を覗き込んできた。 ぐいっと背中に当たる壁に押しつけられる。 最初は冷たかった壁が、いつの間にか自分の身体の熱で温かく人肌のぬくもりになっていた。 「ネルさん…。」 離れたフェイトの唇が濡れていた。 瞳も潤んで頬も紅くて。 自分の唇も濡れているのが、風が当たる感触でわかる。 頬にフェイトの長い綺麗な指が触れて、その感触に肩を窄める。 どくんどくんと身体中は熱くて、頭の芯がクラクラして。 いつもいつも綺麗で器用なその指先が作りだす色々なものに魅入っていた。 フェイトの指。 長く細い、綺麗な指。 その指が…視界の端で揺れるネルのマフラーをそっと掴む。 「ねぇ…マフラーを…とってもいいですか?」 熱く耳元で囁かれた。 くいっとマフラーがひっぱられるのが伝わる。 コクリと唾を飲み込むと、それをフェイトの視線が捕らえていたのがわかって、益々口の中に唾液が溜まる。 「フェイト…何を…?」 「何を今更。」 フェイトが笑った。 唇の端が僅かに持ちあげられて、マフラーをするするとフェイトがひっぱっていく。 マフラーが自分の首を掠めるその刺激に、身体が震えた。 「いっ…!!」 嫌だと言おうとした唇が、フェイトの唇で塞がれる。 ぞくぞくと身体中を走る何か。 背中がぞわりと粟立って、フェイトの肩を掴む手が震えて。 知らなかった。 こんな感触。 こんな感情。 こんな刺激。 「クレアさんに聞きました。ネルさんのマフラー…僕の前でなら、はずしてもいいって思ってくれたのでしょう?」 「それはっ…!!」 顔が熱くなるのがわかる。 ぼっ…!!と音がしたんじゃないかってくらいに。 ばくんばくんと煩い心臓。 こんなの、クリムゾンブレイドに入ってからは初めてだった。 否。 フェイトに会うまではこんな風に心臓が煩くなることもなかった。 乱れて、自分が自分でないみたいな、そんな感覚。 「違う。」 「ネルさんの言葉はたまに心の中と逆ですからね。信じません。」 「フェイト!」 頬に、耳朶に、そっと熱い吐息とともにフェイトの唇が降って来る。 とくんとくんと煩い心臓。 視界に映る紅と蒼のコントラスト。 くるくるまわるそのチカチカした色合い。 「でもネルさんが嫌がるならしません。」 「………。」 「ねぇ…ネルさん?マフラーを、はずしてもいい?僕の前でだけ…はずしてくれませんか?」 するりするりとひっぱられるマフラー。 それでもまだ自分の首を覆うそのマフラーの動きが、視界の端にうつる。 自分を覗き込むフェイトの瞳は真剣で、それでいて熱っぽく艶っぽかった。 この上無く色っぽいその瞳に、再び唾を飲みこむ。 飲みこんだ音が――――響いた気がした。 「ネル…。」 深く深く、深呼吸を繰り返して。 フェイトの真剣な瞳から、自分の瞳を逸らさないで。 フェイトの瞳に映る自分の顔は、今まで自分でも見たことのない女が映っていた。 もう1度。 唾を飲みこんで。 コクリ―――と。 喉が動いた直後。 瞳をそっと伏せて、唇を舐めた。 「ネル…っ!!」 その唇を舐める舌ごと、フェイトが口に含む。 噛み付くようなそのキスに、脚がガクガクしてたっていられなくて。 何もかもを貪るようなそのキスに、全てを預けた。 「ンっ………!」 はらりとマフラーが落ちる。 現れたネルの白い首に、フェイトは噛み付くように口付ける。 その痛みと刺激に、ネルが眉を寄せて吐息をもらせば、フェイトのその行動はどんどんとエスカレートして。 「あっ…フェイトっ…。」 ぎゅっとフェイトの肩を掴むネルの手が震える。 首に顔を埋められるのが、こんなに身体を熱くさせるとは知らなかった。 かかる熱い吐息も、唇の柔らかな感触も、時折感じる噛み付かれる痛みも。 頬を掠めるフェイトの蒼い髪の感触も。 ぞくぞくと下半身から熱く火照ってきて、疼かせるもので。 鎖骨を甘噛みされて声が漏れた。 自分の吐息も熱くなってるのがわかる。 「ふぇいっ…ン…あっ…。」 ところどころ肌蹴た服の隙間からフェイトの指が滑り込んでくる。 その指はいつものあの指なのだとおもうと、どこかエロティックさを感じずにはいられなくて。 胸の頂きをを掠めるそのフェイトの指の動く。 弾かれる度に胸が擽ったくて、下半身が熱く疼く。 「アっ…。」 がくがくしてきた脚でもうたっていることなんて出来なくて。 ずるずるとネルが壁に沿って座りこむのを、フェイトも追い掛ける。 そのまま胸の頂きを口に含んで、かたくしこったソレを舌先で転がしたり、吸い付いたり、甘噛みしたり。 それを繰り返すだけでもネルの身体はフェイトにもわかるくらいに小刻みにぴくりぴくりと反応を示す。 それがまたフェイトには嬉しくて、その行動を抑揚をつけて繰り返して。 「ネル…気持ちイイ?」 「ンっ…ばかっ…!!アっ…!」 胸の頂きから身体全体に広がる痺れ。 ぞくぞくと粟立つ身体。 こんな刺激、知らなくて。 どうしていいのかもわからない。 ただ淫らな声が漏れるのが恥ずかしくて、ぎゅっと唇を噛み締める。 それでも小刻みに漏れる声は、自分でもやっぱり恥ずかしいくらいな声だった。 「唇…辛かったら、コレ、噛んでて。」 濡れた唇に滑り込む堅い物。 瞑ってた目を開けると、、それはフェイトの指だと解った。 歯で噛むと堅いそれに涙が出そうになる。 噛み締めることなんて出来るわけがない。 自分の一番大好きな、フェイトの綺麗な綺麗な指。 愛しくて。 その指が愛しくて。 自分を気遣うフェイトの気持ちが愛しくて。 その指先に…そっと舌を這わせた。 ぴくりと反応するフェイトの指先。 ちろりと下を見れば、驚いたように見開かれたフェイトの瞳。 とたんに顔がかーっと熱くなる。 何かを言おうと言いかけた唇から、フェイトの指がするりと引き抜かれ、変わりに柔らかな唇が降って来た。 啄ばむように口付けられたと思ったら、お互いの熱い吐息が掛かるくらいに近いその距離で、甘く熱っぽく囁かれる。 「好きです。」 愛しい。そんな風に瞳を細めて。 フェイトの自分を見るその瞳が好きだった。 まるで世界中の幸せをひとりじめしたみたいな、そんなフェイトの笑顔に顔が熱くなる。 そして深く深く口付けられる。 息苦しさに逃げかけた舌は絡めとられ、吸い上げられて。 苦しさに口内に溜まった唾液が、唇の端から零れ落ちるのさえも刺激で。 「ふ…ンっ…ア…。」 気が付いたら壁はもう背中に無くて、床に寝ていて。 フェイトに組み敷かれていて。 するするとフェイトの指が自分の腹を滑り落ちて行く。 「んんっ…!!」 キスのせいで声にならないもがきに、フェイトが瞳で笑う。 擽ったさにざわざわと身体が疼いて、とろりとろりと自分の一番大切な所が熱くなるのがわかって。 長いキスはまだ解放してくれない。 唇も舌の甘く優しく噛まれて、その刺激に戸惑っているうちに。 フェイトの指は自分の一番大切なところに到達していた。 スカートの端から滑りこんできたフェイトの指は、自分の下着の中にも侵入してくる。 ぬるりとしたその感触を太腿に感じて、ネルは瞳を見開いた。 「んんっ!!ん―――!!」 ぐいっとフェイトの肩を押しても、フェイトはビクリともしない。 それどころか口付けは深く激しいものへとかわっていく。 くぷりと音がした気がして、フェイトの指が自分の秘部を擦り上げる刺激が伝わる。 一番敏感な突起を摘まれて、擦られて、熱くて、指が堅くて。 すでにとろとろのソコは更に更にぬるぬるの愛液が溢れ出て。 「ふぇいっ…!!」 ぐいっと押したフェイトの肩。 フェイトはネルの唇から零れ落ちた唾液を舐め取ると、再びネルの胸元に顔を埋めた。 ぽたぽたと溢れ出た愛液が床に滴り落ちる音が響く気さえしてくる。 「ふぇ…いっ……とっ…!!んっ…!!」 カタカタと小刻みに震えるネルの脚。 それを開かせると、秘部を愛撫したままその間に割り込んで。 くちゅくちゅと音を立てて、フェイトは狭いソコを掻き混ぜた。 「嫌だっ…!!」 ネルは視界の端に映った自分のマフラーを掴む。 ソレをばっと自分の顔に当てると、唇を噛み締めた。 羞恥で気が狂いそうだった。 熱くて苦しくて恥ずかしくて、泣きそうで。 「ネル。大丈夫だから…力、抜いて?」 カタカタと震えるネルの太腿。そこに描かれた紋章にフェイトがそっと口付ける。 白いその脚に浮かぶその紋章はこの上無く色っぽくて。 噛み付きたい衝動にかられた。 「んっ…はぁっ……。」 くちゅくちゅと音を立てるそこを指で解しながら、フェイトはマフラーで顔を隠すネルをじっとみた。 僅かに見える耳は、真っ赤で。 「ああっ!!……ん!!」 びくびくと跳ねるネルの白い脚。 フェイトはコクリと唾を飲みこむと、ネルのマフラーにそっと手で触れた。 「ネル…いい?」 震えるネルの手からマフラーをとる。 そこではっと息を呑んだ。 現れたネルの瞳が真っ赤で、熱っぽく艶っぽく潤んでいて。 頷くネルの頬に軽くキスを落とすと、暴れだしたそうな自分自身をとりだした。 すでに解放を求めて辛いソレを、ネルの秘部に押し当てる。 ぬるりと濡れたその感触と熱に、再び息を呑む。 「フェイト…。」 か細い彼女の声は、今まで聞いたことなんてないくらいに小さくて。 そのまま抱き寄せるとネルを膝立ちさせた。 そしてその綺麗な顔を下から覗き込むと、向かいあったまま口付けを交わして。 「辛かったらごめん。でも、余裕…ないかも…。」 「あぁ…。」 さらりとネルの髪が自分の頬にかかる。 ネルの強い瞳が、熱っぽく潤んでいる。 それに誘われるまま口付けると、ゆっくりとネルの腰を支えて。 「あっ……。」 ぎりっと…肩にたてられたネルの爪が、フェイトの肩に食い込む。 狭い入口を押し広げて、ネルの中にフェイトが入っていく。 燃えるような熱と、柔らかさと、弾力と、きつさと。 狭いソコを圧迫するように押し広げるフェイト自身。 「あああっ―――!!」 ネルは唇を噛み締める。 ずきんずきんと痛いのは、自分の中に受け入れたのはフェイトが初めてだから。 慣れない痛みに唇をかみしめて、フェイトにしがみつく。 「フェイトっ!フェイトっ……!!」 「んっ……!!ネルさんっ…大丈夫…です…か?」 重力も手伝ってネルはフェイト自身を根元までのみ込む。 ぽたぽたと溢れた愛液と混ざった紅い液体。 「んっ…平気…だよ…。」 ふっと熱い吐息がフェイトの耳にかかった。 そのまま痛みに顔を歪めるネルの唇に口付ける。 少しでも。少しでも――――。 ネルの痛みが和らぐように。 濡れたネルの唇をそっとその補足長い指でなぞって。 「動くよ?」 「ンっ…。」 さらりとネルの頬に当たって唇の端にひっかかった赤い髪の毛を指で拭って。 ソレに気付いたネルが、自分の髪をぐいっとかきあげた。 その仕種がまた色っぽくて。 フェイトは込み上げてくる熱に、腰をゆっくりと動かしはじめた――――。 ふわりとマフラーを首に巻く。 やわらかなその感触は、いつも巻いてるはずなのにどこか新鮮な感じがして。 さっきまではフェイトの吐息の感触がしてた。 さっきまではフェイトの髪の感触がしてた。 さっきまではフェイトの唇の感触がしてた。 「………。」 そっと隣で眠るフェイトの蒼い髪に指を絡めて。 撫でるように梳く。 さらさらと指の隙間から零れるその髪が、さっきまではフェイトの汗で彼の額に貼りついていたなんて思えないくらいにさらさらだった。 「男の人もあんな表情をするんだね。」 この上無く色っぽい、フェイトの桜色の頬。 欲情した瞳。 どくんどくんと煩かった心臓の音がおさまっていたのに再び煩く鳴りはじめる。 「好きだよ。フェイト。」 愛しいものを見るような、満たされた気持ちで。 ネルは微笑んだ。 あとがき |