■■■ Dairy


プリシス・F・ノイマン
花の16歳!
大好きな人がいます。





最近日記をつけることにした。ガラじゃないんだけど。
最初は手帳に○をするだけだったんだけれど、
それじゃ一体なんの日だったか忘れちゃうからさ。
だから日記にすることにした。手帳も日記もアタシらしくないんだけれどさ。
仕方ないじゃん?まぁ、こう・・・・・さ。
オンナノコには色々あるわけよ。

今日もぱらりとページをめくって、ペンを滑らせる。
3日坊主のアタシが日記をつけはじめて今日でもう1週間。
我ながらスゴイと思うよ。コレは。

「ん〜っと。今日もたくさんあるなぁ〜。」

黙々とペンを滑らせる。真っ白かったページがどんどんと黒く埋まっていって。
それがなんだか嬉しくて、楽しい。
 

かりかりかりかり・・・・・・・。


「好きな人がいます?」
「ひゃあっ・・・・・!!?」

突然手元が暗くなって、後ろから声がした。
ビックリして、慌てて日記を隠すように掌で覆うと振り返る。
するとそこには、いつものようにのほほんとした表情のアシュトンがいた。

日記を書くのに夢中になっていて、
アシュトンが部屋に入ってきたのに全然気がつけなかった。
心臓はばくばくいってるし、自分でもわかるくらいに顔中が熱い。

「な、な、なっ・・・・・・!?」
「へぇ〜。プリシスの好きな人って・・・・・。」

がたがたっ・・・・!!
驚きすぎて、不意打ちすぎて。椅子から思わず日記ごと転げ落ちてしまった。
そんなアタシをアシュトンは楽しそうに見詰めている。

「そんな慌てなくても、みんな知ってるよ。」
「・・・・・・誰よ?」

ぎくり・・・・っとして、聞いてみる。
するとアシュトンはいつもみたいに花のように微笑んで。

「クロードでしょ?」
「違うよ。」

即答。

そしたらアシュトンの顔が驚き顔にかわった。
そしてすぐに閃き顔にかわる。

「あっ、レオンでしょ?」
「違う〜〜〜〜っ!」

即答。

今度はおそるおそる・・・・自信なさげな顔になった。
まるで百面相だね?アシュトン。

「まさかグラフトさ・・・・・!!!」
ばきいっ・・・・・!!
「なんでアタシが自分の親父好きになんなくちゃいけないのよ!」

答えるよりも先にでてしまった拳がちょっと痛い。
紅くはれてしまっている頬を抑えて、アシュトンがやっぱり?って苦笑した。
もっとちゃんと考えてよね?
残るメンバーは一人しかいないじゃん?

「・・・・・・もしかして、僕?」

紅くはれた頬よりも、更に真っ赤に頬を染めて。
リンゴみたいな顔で、アシュトンが自分を指さした。
ああっ、もう!

「うん。って、言ったら、どうする?」
「えっ、えっ、あっ・・・・・・えとっ・・・・・。」

あ〜あ。耳まで真っ赤に染めてアシュトンがまごついてる。
いやはや。
想像通りではあったけれど、なんで女のアタシよりも可愛い反応なのかなぁ〜〜。

「ジョーダンだよ。」

なんかつまらなくて、ぷいっと横を向いた。
アタシが椅子から転げ落ちたせいで、一緒に落ちた日記を拾って立ちあがる。
ちらりと横目でアシュトンを見ると固まっていた。
それがなんだかとても面白くて、愛しくて。

「うそ。」

気がついたら、なんでだか抱き付いていた。





今日の日記はもう終わりだったんだけれどね。
このコトも書かなきゃなぁ〜。
やっぱり手帳じゃなくて良かった。
手帳だったら毎日花丸ついちゃうじゃん。
んでもって何の日かわからなくなっちゃうよ。

明日も、明後日も、1週間後も。
1年後だって、3年後だって、10年後だって。

ずっと、ずーっと、日記が書けるとイイな。
昨日まではその日にあった、嬉しいコトだったけれど。



今日からは――――――。
キミとアタシ、二人の記念日を。





大好きな人がいます。
とても優しくて、可愛くて・・・・でもちゃんとかっこよくて。

今日、その人と。
初めてキスをしました。





あとがき

初々しいプリシスとアシュトンが書きたかったんですv
あとはいつもみたいに堅苦しく無くてすらすらっと
ノリで読めるようなものが書きたかったのですが・・・・
いかがでしたでしょうか?

結構ず〜っと考えていたワリには
あまり意味の無い小説(苦笑)

取り敢えずやっと初めての表アシュプリってどうよ?←苦笑

2002/03/04 まこりん



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