■■■ 誘惑の歌
始めは遠慮がちにちらちらと盗み見る感じだったのに、だんだんと見る時間が長くなっていく。
プリシスの視線の先に、アシュトンは気がついて恥かしそうに頬を染めた。
「ね・・・・?アシュトン。」
甘えるような、声。
プリシスの先程までの濡れた瞳は、輝くばかりに大きく開かれていて、好奇心に満ちたものとなっていることにアシュトンは気がついた。
どきりとして、次の瞬間嫌な予感がした。
なんとなく・・・・次に言われることが予想出来て、アシュトンは困ったように笑うと、視線で先を促した。
「・・・・・触ってイイ??」
(うわっ、直球だし!!!?)
恥かしいのか顔を染めつつも好奇心のほうが勝ったのだろう。
プリシスがアシュトン自身を指差しながら尋ねてきた。
プリシスの突然のお願いにアシュトンは更に顔を真っ赤に染めると、なんとなく布団を引き寄せ隠してみた。
真っ直ぐな彼女が好きで、好奇心とその行動力が好きで、だからなんとなくわかっていた。
たぶん、彼女がこう言い出すことを。
「・・・・い、いいけど。」
何も身に付けていない格好で、ほんのり赤く染まった身体で、そんなコト言わないで欲しい。
今にも襲いたくなるこの気持ちを、一体どこまで抑えられるだろうか?
(なんか、自分の限界に挑戦ってカンジ・・・・・・。)
「じゃ、しっつれ〜しま〜っす!」
アシュトンが引き寄せた布団を取ると、そろそろと伸ばされる腕。
こくりと唾を飲み込んだ音が、響いた気がした。
すでに先走りで先端を光らすソレに、ゆっくりと小さな手がのばされる。
先端に軽く触れて、ぱっと離される。
プリシスは指先に付いた滑りのある液体に、不思議そうに眉を寄せた。
もう一度手を伸ばすと、アシュトン自身を握り締める。
「んっ!?」
思わず声がでそうになって、アシュトンはぱっと片手で口を抑えた。
「やだ、アシュトンかわいいかも。」
「・・・・・・ぷりしすぅ〜。」
泣きそうな声でアシュトンがプリシスの名前を呼ぶ。
握り締めたまま何をされるわけでもなく、アシュトンは自分の目線の先にあるプリシスの小さな胸に目が釘付けになった。
(うわっ・・・・・・。)
「なんか、オモシロイかも。・・・・・・熱い。」
プリシスがちょっと手を動かすと、中途半端な刺激が伝わる。
そして微かに揺れるふくよかなふくらみ。
だめだ・・・・。
ここまできて理性がもつはずが無かった。
「ごめん。なんか、そう・・・・・中途半端なの、だめかも。」
「ひゃっ!!」
そう呟くとアシュトンはプリシスの肩を勢いよく押し倒した。
柔らかな布団にプリシスの身体が埋もれ、部屋の中に小さな悲鳴が響く。
「アシュトン・・・・。」
耳元で囁かれた声が愛しい。
小さな、けれど形の良い胸をそっと口に含んだ。
先端を舌で突つき、まわりの柔らかなところに歯をそっと当てると、空いている方の手でもう一方のふくらみを揉み上げる。
「んっ、ふっ・・・・・。」
プリシスが足を少し浮かせ、それがアシュトンのお腹に当たった。
口に含んでいない方の胸を愛撫していた手で、脇腹から太腿のラインをなぞると、プリシスの身体が大きく跳ねる。
「ひゃっ!」
どうしよう!
どうしよう!!
プリシスの身体に、反応の良さに、愛しすぎて、めちゃくちゃにしたくなってくる。
襲いたくなる程の身体の熱に、胸の疼きに、アシュトンは苦しそうに眉を寄せた。
がばり!と勢いよく口付ける。
「んっ!」
驚いて逃げかけた舌を追いかけ、絡めとると吸い付いた。
息苦しそうに眉を寄せるプリシスに気がついて、一度離すと角度を変えてもう一度吸い付く。
太腿に当てた手は、せわしなくその辺りを撫で回していた。
微かにプリシスの脚が開いた瞬間に、自分の身体を滑り込ませる。
「んふっ・・・・・。」
どちらのものとも取れない、透明な液がプリシスの喉を伝い、それを追いかけるかのようにアシュトンは唇をずらしてく。
こくり。とプリシスの喉が動き、そこにキツク吸い付いた。
ちりりっとはしった喉の痛みに、プリシスは首を竦めた。
「あ、あしゅ・・・・とぅんっ・・・・。」
今にも泣き出しそうな、艶を含んだ声。
アシュトンは誘われるままに、手を内太腿へと移した。
アシュトンの指の動き、首元に掛かる熱い息。全てに身体が反応する。
プリシスの心の中を、不安が支配し始めた。
どうしよう?
どうしよう!?
こんなの、知らない。
身体の奥深くの疼きに麻痺しそうな意識を、プリシスは必死に繋ぎ止めようと、シーツを掴む手に力を込めた。
必死にプリシスが声を出さないように堪えていると、アシュトンがプリシスの中へと指を挿し入れた。
「あっ!」
突然のコトにプリシスが驚いて起き上がろうとしたのを、
アシュトンはプリシスの身体に乗っかるコトで防いだ。
自分のソコが愛液で溢れかえっているのを知られるのが恥かしくて、慌てて脚を塞ごうとしてもアシュトンが入り込んでいてソレは叶わなかった。
「やっ、あしゅっ・・・・・。」
すでに愛液で溢れかえっているせいで、
すんなりとアシュトンの指を受け入れてしまっているコトに、恥かしくて、驚いてしまって。
プリシスは嫌々をする様に頭を大きく振った。
アシュトンの指が動くたびに、出そうになる声を必死に堪える。
耳に届く液体の音に、確かに煽られ熱くなってくる身体に、恥ずかしくって泣きたかった。
『気持ちがいい』んだか、これが『感じる』ということなのか、そんなことわからなかった。
わかっているのは身体中を支配する痺れと、身体の奥底を駆け巡っている疼きだけ。
「そんなコト、しなっ、はぁっん・・・・。」
口を開くと喘ぎ声が漏れてしまい、プリシスは顔を見られないようにアシュトンに強く抱きついた。
アシュトンはそのままプリシスの身体を抱き上げると、向かい合わせになったままプリシスを膝の上にのせた。
「ひゃっ!やっ・・・・!?」
それは自然とプリシスの両脚を大きく開く形となり、そのせいでさらにアシュトンの指を深く感じてプリシスは唇を噛み締めた。
開かれ、露になった入り口から愛液がぽたぽたと滴り落ち、シーツを汚していく。
ついでにアシュトンの内太腿にも白い筋を残した。
自分のソコから愛液が滴り落ちるのがわかって、プリシスは羞恥のあまりついに涙を浮かべた。
「プリシス、声、出していいからっ。」
アシュトンはがくがくと震えているプリシスの頬に、そっとキスを落としながらも、中を掻き回す手は止めなかった。
アシュトンの言葉にプリシスが顔を真っ赤に染めて首を振る。
アシュトンは指を増やすと押し広げ、抱きついてくるプリシスの首もとに吸い付いた。
「んあっ、あっ、あしゅっ・・・・やぁんっ!」
強く抱きついているせいでアシュトン自身が自分のお腹を掠り、その熱さがわかってプリシスはぎゅっと目を瞑った。
「プリシス。」
優しく耳元で囁かれる。アシュトンのその切羽詰ったような声に、プリシスはただ頷くコトしか出来なかった。
中を掻き回す指が、お腹に掠るアシュトン自身が、気になって、身体が疼いて仕方がなかった。
不安定な自分の今の位置に、アシュトンにしがみつくコトで身体を支える。
「あっ!!」
するりと抜かれた指に、少し感触の残っているソコに、プリシスの身体が震えた。
「ひゃっ、んっ!!」
アシュトンは愛液が滴り落ちているソコに自身をあてがうと、プリシスの目尻に浮かんだ涙を舐めとる。
「プリシス、力、抜いて。」
アシュトンの言葉に、押し当てられた熱く堅いモノに、プリシスは息を呑んだ。
こくこくと頷いてぎゅっと目を瞑った瞬間、身体を下に・・・・・・アシュトン自身へと降ろされる。
「いっ・・・・・!!ああああああっ・・・・!!」
「くっ・・・・!きつっ・・・・!!」
今まで何も入れたコトが無かったところを、押し広げて侵入してくるその質感に、プリシスの瞳から涙が零れ落ちる。
苦しそうに大きく首を振って自分の背中を掻き抱いてくるプリシスに、アシュトンはすべて挿し入れた後一旦それを止めた。
大きく口で呼吸して、呼吸を整えようとしているプリシスを待つ。
体位の関係上重力の力も加わって、プリシスはアシュトンを自分の奥深くまで咥えこんでいた。
結合部からぽたぽたと、紅い血の混ざった液体が滴り落ち、シーツにシミを作る。
「いっ。」
下からアシュトンが振動を与えると、プリシスの口から苦痛が漏れた。
自分自身が感じている締め付けからも、プリシスのソコがまだ狭いのだということがわかり、アシュトンは不安そうにプリシスの頬に口を寄せた。
「プリシス・・・・。」
心配そうなアシュトンの瞳と目が合った。
プリシスは苦しいながらも微笑むと、アシュトンの背中に回した手でゆっくりとその背中を撫でた。
「だ、だいじょ〜ぶっ!」
涙で濡れる顔で、笑顔を作ったプリシスが愛しい。
アシュトンはゆっくりと下から振動を与えた。
「だ、だいじょ〜ぶだからっ、平気。」
「ぷり・・・・・・。」
「めちゃくちゃに、シテ?」
プリシスの言葉に、自分の中の何かが壊れた。
繋がったまま、プリシスの身体を布団に押し倒した。
その時プリシスの口から漏れた痛みを堪える声にも身体は止めず、アシュトンはがむしゃらにプリシスの喉許に食いついた。
「んっ・・・・あっ!!」
瞼に、頬に、唇に、キスを落とす。
激しく抜き挿しを繰り返して、腰を打ちつけると、小さなプリシスの身体が大きく揺れる。
苦るしそうな吐息は、何時の間にか甘い喘ぎ声に変化して、アシュトンの耳に届いた。
「んっ、あっ・・・・あっ、あっ、あっん!!」
打ちつけられる振動で途切れ途切れになるそれは、更にアシュトンの欲情を煽った。
二人とも今全身を駆け巡っている快感の渦に、何も考えられなくなる。
頭が真っ白になって、お互いの身体だけを感じたいという欲求のみが支配していく。
「あっ、はぁっ・・・・あんっ!あしゅ・・・・と、んっ!!」
「ぷ、ぷりっ・・・・。」
ぎりぎりまで引き抜いて、更に奥へ奥へと欲望を突き立てる。
既に身体に力がはいらないプリシスは、アシュトンの突き上げに身体を躍らせるコトしか出来なかった。
「こっ、こんっ、なの!は、はじめっ、てでっ!!」
「ぷっ・・・・。」
「変っ!へんなのっ!だっ、だめぇっ!!」
熱い身体に、熱い吐息。苦しそうな喘ぎ声。耳に届く淫猥な音。
すべてが二人の快感を煽った。
「変になっちゃ、ひゃっ、あっ、あっあんっ!あっあああああ!」
「くうっ・・・・・・!・・・・あっ!」
プリシスの身体が大きく震え、アシュトンもその締め付けに自分自身を解き放った。
どくどくと波打つその液体を感じて、プリシスはその熱さに意識を手放した。
名残惜しそうに自身を引きぬくと、アシュトンはふぅっと息を吐いた。
汗ばむ額に貼りついた髪の毛をかきあげ、手の届く位置にあったタオルを手にとった。
ぐったりと倒れ込んでいるプリシスの頬にキスを落とすと、タオルでプリシスの身体を拭き始める。
ほんのりと紅く染まるその肌と、汗ばんでいる艶を帯びた身体に、ふつふつと身体が疼いてくる。
「・・・・・・やば。」
だめかも。
疼く身体に眩暈がする。
あんなに我慢できていたのに、一度抱いてしまったらもう止められないかもしれない。
プリシスの身体から目を反らすと、そのまま俯く。
「どうしよう・・・・・。」
再び熱を持ちはじめている自分に気が付いて、困ったようにアシュトンは呟いた。
あとがき
誘惑の歌のテーマは初々しさでした
今このHPを作るにあたって読み返していたのですが
私このころ・・・・ノリノリ(死語)でしたね・・・・
今はもう書けないかも
裏内容を書いたのがコレは3本目ってことで
私も初々しかったのでは(汗)?と思います・・・・・
あ〜〜
しかしコレ、本当・・・・楽しそう(笑)
2001/10 まこりん
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