■■■ 最終決戦前夜
目の前の人が愛しいと思った時・・・・自然とキスがしたくなって。
お互い無意識のうちに唇を重ねた。
目の前の瞳に映る、自分の瞳。
それがなんだかとても不思議で、とても嬉しくて。
「んっ・・・・ふっ・・・・。」
今までからかわれてされたキスとは明らかに違う・・・・・それは口付け。
こんなキスしたことがなくて、息苦しさにアシュトンは眉を寄せた。
それに気が付いてボーマンはいったん唇を離す。
その間に軽く息を吸い込んで、アシュトンはボーマンの首にまわした腕に力を込めた。
「はっ・・・・あっ・・・・!」
離れ際、名残惜しそうに唇を一舐めして、ボーマンはアシュトンの服の端から指を滑り込ませた。
脇腹を撫でて、背中を撫でて・・・・力強く抱きしめる。
「んっ・・・・ボーマンさん・・・・・。」
「アシュトン・・・・・。」
「うっ・・・・わっ!?」
どさりと押し倒される。
その衝撃でお尻と背中が痛くて、アシュトンは顔を顰めた。
「わりっ・・・・。」
ボーマンの言葉にアシュトンはコクリと頷くと、ボーマンの頭を抱え込むように抱きしめる。
ボーマンはアシュトンの首許に唇を寄せ、その魅力的な首許に紅い痕を散りばめた。
そこに走る痛みにほんの少しだけ幸せを感じて・・・・・アシュトンは瞳をぎゅっと閉じた。
「もどかしいな・・・・・。」
なかなか自分のシャツのボタンがはずせないのか、ボーマンがじれったそうにシャツのボタンをいじっている。
第2ボタンまではずれたところで、一気に頭から脱いでしまった。
「よし。」
「はははっ・・・・!」
こんな風にらしくなく焦っているボーマンは新鮮で、ついついアシュトンは笑ってしまった。
それが気に食わないのか、ボーマンがふてくされたような顔をして・・・・
それがまた新鮮でアシュトンは微笑む。
なんとなく、彼のかわいい一面を見てしまった気がする。
それがなんだかとても嬉しくて、愛しい。
「なんだよ。お前も脱げっ!!」
「うわわわっ・・・・!!」
ばさりと服を剥がれる。普段人前にあまり肌を晒さないから
少し恥かしくて・・・・・アシュトンの頬がほんのりと紅く染まった。
別に男同士だし、お風呂に一緒に入ったコトとかもあるし・・・・・恥かしい。
なんておかしいけれど。
こういう時に見られるのは・・・・・なんとなく、恥かしかった。
「・・・・・っ!」
黒いローブから現れた白い肌に、ボーマンは息を呑む。
誘われるままに掌を押し当てると、吸いつくような肌の感触。
女のものとは違う硬く引き締まった身体。
ボーマンの指の動きに、ぴくりと擽ったそうに身体を反応させて・・・・・
目の前で紅く染まっていく愛しいヒト。
「アシュトン・・・・。」
「な、なんですか??ひゃっ!?」
何も言わずにボーマンはアシュトンの胸の突起に吸い付いた。
その刺激にアシュトンが床に押し当てたてのひらに力を込める。
「んっ!あっ・・・・!!」
露出した肩から指を滑らせて・・・・ラインを辿っていく。
辿りついた手の指に自分のそれを絡めて、力強く手を握り締めると
ボーマンはもう一方の手で脇腹のラインをなぞった。
「ボーマンさんっ!!」
すでに熱く昂ぶり始めているアシュトン自身がボーマンに当たる。
その感触に、ボーマンはくっと喉の奥で笑った。
「うわっ・・・・!!」
アシュトンが眉を寄せる。
やんわりとボーマンの手で包み込まれた自身が熱い。
ボーマンが顔を上げてアシュトンの顔を覗きこむと、情欲に濡れた瞳が不安げに揺れていて・・・・・
更にボーマンの欲を煽った。
掴んでいた手を上下に動かす。
「うっんっ・・・・!!」
苦しそうな、甘く切ない声が漏れる。
ボーマンはアシュトン自身から漏れ始めた先走りの液を指で拭うと、アシュトン自身にすりつけた。
そしてソレを口に含むと、ねっとりと舌で愛撫しはじめる。
その初めての刺激に、アシュトンが声を出すまいと口を掌で覆った。
それは感じているのだとボーマンは解釈し、逃げようとアシュトンが引いた腰を抱きかかえる。
そしてそのまま愛撫を続けた。
「うっ・・・・あっ!やだっ・・・・きたなっ・・・・!!」
「汚くねェって・・・・。」
ボーマンの髪を掴むアシュトンの手に力が込められる。
アシュトンの限界が近いのだと・・・・・それはボーマンに伝えた。
ぎゅっと吸い付いて、舌と指で刺激を加える。
「あっ・・・・だっ、ダメっ・・・・!!」
ビクビクとアシュトンが震える。
それと同時にアシュトンが放出した熱を、ボーマンはごくりと嚥下した。
「はあっ、はあっ・・・・!」
涙目で胸を上下させるアシュトンの額に貼りついた髪の毛をかきあげると
ボーマンはその額に軽く唇を寄せる。
ぺろりと舐めると汗のしょっぱい味を舌先に感じた。
「ぼーまんさん・・・・?」
頭を優しく撫でてくるボーマンに、不思議そうな瞳をアシュトンは向けた。
火照る身体が熱くて、絶頂の余韻と解放感に身体はだるくて
頭の中はくるくるまわってるしであまりよく状況がのみこめない。
「ん・・・・?」
うまくまわらない呂律で自分の名前を呼んできたアシュトンが、とても愛しくて。
ボーマンは愛しそうにアシュトンを見詰めると、アシュトンの髪に自分の指を絡めた。
ぱさりと白衣をアシュトンに掛けると、自分は近くの壁に寄かかって煙草を1本取り出す。
「え?だって・・・・まだっ・・・・ぼ、ボーマンさんが満足していないじゃ・・・・ないですか。」
煙草に火をつけてゆっくりと煙を吐き出したボーマンに
アシュトンは白衣を引き寄せて自分の身体を隠しながら近付いた。
その腰に腕を回して、ボーマンはアシュトンを抱き寄せる。
「アシュトンのイク声聞けたから満足。」
そしてアシュトンの頬にボーマンが口付けると、アシュトンの鼻を煙草の香りが擽った。
「でもっ・・・・!」
「最後までヤリたい?」
真っ赤になって俯き、黙り込んだアシュトンの髪に頬を摺り寄せてボーマンは苦笑した。
「明日・・・・・生きて、帰ってこれたら・・・・・続きしような。」
くしゃくしゃとアシュトンの髪をかきまぜてボーマンが笑う。
「・・・・・はい。」
小さく頷いたアシュトンが愛しくて、ボーマンは抱き寄せる腕に力を込めた。
腕の中にある温もりが心地よくて、愛しい・・・・・。
恐かった。
そう言ったアシュトンは何が?って瞳でたぶん自分を見てくるのだろう。
最後まで抱いたら・・・・。
終わってしまう気がしたんだ。
今日この雰囲気で流されただけだと。
酔った勢いで、決戦前夜の昂ぶりで、身体の関係を持っただけだと。
アシュトンが俺に遠慮して逃げそうだと思った・・・・・。
失いたくなくて。
この温もりが。
ひとつでいいから、約束が欲しくて。
すべてが終わっても、傍に―――――――いて欲しい。
俺らしくもなく・・・・・誰かを抱くのに、こんなに緊張して、こんなに震えたの
初めてなんだぜ?
そんくらい好きだってコト―――――こいつは気が付いてんだろうか?
腕の中で寝息をたてはじめた愛しいヒトの額に軽くキスをして
切なく疼く身体にボーマンは軽く苦笑した。
あとがき
如何でしたでしょうか?
私寸止めって好きです
って言うか・・・・愛し合う気持ちが伝わって
満足しちゃうんですね・・・・私
ダメですね・・・・
好き過ぎて手が出せないって好きです。
これは結構…お気に入りな部類に入ります〜v
っていうかボーマンさんは裏書いてこそ輝く気が(笑)
2002/05/23 まこりん
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