■■■ その未来にあるもの





「なぁ・・・・・。クロード。」
「何ですか?」

宿屋について、各々割り当てられた部屋へ移動。
そして荷物を整理し始めたところで、初めて同室になった男に声を掛けられる。
普通に返事をして、荷物の中からタオルを取りだし、汗を流そうと思っていた時だった。

「結構野宿続きじゃねぇか?でもって、久しぶりの宿屋もこう・・・・・誰かと同室だろ?」
「えぇ・・・・。」
「おまえら今までどうしていたんだ?」

壁に寄りかかりながら煙草を灰皿に押しつけた男に、意味がわからないといった顔を向ける。
眉を寄せて、苦虫を押しつぶしたみたいな顔をしている男に
一体なんのことを聞かれているのかがわからなかった。

「何がですか?」
「だーかーらー。どうやってヌいてんだってことだよ。」
「ぬぬぬぬっ・・・・!?」
「まさか、風呂場なんてベタなこと言うなよ?」

一瞬何のことを言われたのかわからなくて、次の瞬間理解して。
顔を耳まで真っ赤に染めて、金髪碧眼の青年はタオルを床に落とした。
そのクロードの態度に、男が呆れたような顔をする。

「まさか、その年でしてません〜〜〜ってコトはねぇだろ?性少年?」
「だああああああっ!!何を言いだすかと思えばっ!」
「マジかよ。」
「いやっ!さすがにそんなコトは・・・・って、何言わすんですかっ!?」

慌ててタオルを拾うと、それを握り締める。
目の前でにやにやと笑い初めた男を軽く睨みつけると
クロードはお風呂に行こうとドアの方に足を向けた。

「まさか、お前・・・・。レナと・・・・?」
「何言いだすんですかっ!んなワケないでしょう!?」
「だろうなぁ・・・・・。じゃ・・・・・・さ。」

ぱたん。
開きかけた扉が、男の手によって閉じられる。
「クロード・・・・。お前もそうとう・・・・・溜まってんじゃねぇ・・・・?」
どきりとした。
背後から伸びた、堅そうな腕が視界の端にうつる。
危険な空気が、その場を包んでいる。
クロードは背中の毛がぞくっと、逆立つのを感じた。

危険な空気。
危険なニオイ。
振り返ったら・・・・イケナイ。

「そ、そんなこと、ないですよ・・・・。」
「まぁ・・・・・そう言うなよ?身体は正直だし・・・・。」
びくりとして、一点に熱を感じる。
後ろからさわられているソコは、自分でもはっきりとわかるくらいに熱を帯びていた。

「ぼ、ボーマンさんっ!止めてくっ・・・・!!」

ぐいっと肩を掴まれ、唇が塞がれる。
抵抗しようとした腕は掴まれ、顎はしっかりと固定され。
文句を言おうと振り返ったのが間違いだった。
突然のキスに、呼吸が出来なくて苦しい。
そのせいで僅かに開けてしまった唇の端から、暖かなモノが入りこんでくる。

「んんっ・・・・!!」
苦しくて、眉が歪む。だんっ!!と、背中がドアに押しつけられた。
逃げようとした舌を、執拗に追い掛けて絡めとってくる、柔らかな生き物。
自分の荒い息だけが、耳まで届いた。
注ぎ込まれる僅かな粘り気を帯びた暖かい液体。
それを呑み込むのは嫌で、必死に堪えるが苦しくて・・・・。

ごくりと。クロードの喉が動いた。

その拍子に呑み下しきれなかった、どちらのものともとれない唾液がクロードの唇の端から漏れ
喉を伝って鎖骨までてらてらと照らした。

「やめっ・・・・・!」

やっと解放された口で、やっと文句を言う。
それでも突然のコトに、驚きすぎた身体は自分のものじゃないみたいに反応がにぶい。
もしかしたら、いや、もしかしなくてもさっきのキスに少し、力を奪われてしまったのかもしれない。
唇の端から垂れている液体を指で拭うと、クロードは荒く呼吸を繰り返した。
くらくらとする視界の端に、ボーマンの腕が映る。

あっ・・・・!と、思った時にはすでに、クロードの腕がボーマンに掴まれていた。

「うわっ・・・・!」
勢いよくベッドに投げ出される。
どさりと布団に落ちたと思ったら、いきなりボーマンが覆い被さってきた。
片手でするりとネクタイを外し、白衣も脱ぎ捨てている。
「ちょ、ちょっと・・・・!何考えてんですかっ!!」
「おとなしくしてりゃ、楽しませてやるよ。」

ぺろりと指先を舐めると、ボーマンは指先をするりとクロードのタンクトップの下に滑り込ませた。
ふわりと外の冷たい空気が入り込んできて、クロードが僅かに震える。
クロードの上に跨って、体重をかけながらクロードを押さえ込むと、手探りで胸の突起を探し当てた。
そのボーマンの指の刺激に、クロードは自分でも信じられないような感覚を感じていた。
背中がぞくりとして、自分の乳首が立ったのがわかった。

「堅くなってんじゃんか。」
「そ、それはっ・・・・!」
かあっと、耳まで紅くなる。きゅっと掴まれて、クロードの身体が僅かに跳ねた。
そのクロードの反応に、ボーマンの顔つきが変わる。
ぎゅっと目を瞑って、自分の身体の奥底から沸き上がり始めた快感に堪えているクロードの顔を覗きこむ。
それに、くっと・・・・喉の奥で笑った。

「お前・・・・・。」

タンクトップをたくし上げると、小さく自己主張をしている胸の突起に舌を這わせた。
ぴちゃりと音を立てると、クロードが微かに眉を寄せる。
歯で刺激を与えて吸いつき、もう一方の突起は空いている指で刺激する。
頭上で僅かながらだが、クロードの息が荒くなってきているのがわかった。
クロ−ドは、自分の目線の下で揺れるボーマンの髪を見詰めながら
胸に与えられる刺激に、不覚ながらも感じ始めていた。
こんな感覚、自分でも信じられなくて・・・・・。
身体中が熱く火照り、一点に熱が集中し始める。

そう・・・・・。下腹部に。

「んっ・・・・・!」

押し殺した声。
ボーマンの下腹部が、熱く疼いた。
声を押し殺しながらもクロードの荒い息が、唇から漏れてくる微かな声が・・・・・。
ボーマンの身体を熱くさせていた。

「お前・・・・・めっちゃくちゃ感度良くねぇ・・・・・?」
「んっ・・・・・な、コト、なっ・・・・・。」
「感じてんじゃねぇか?」

するりと、ズボンの上からでもはっきりとわかる主張に手を押し当てる。
すでにズボンの上からでもわかってしまう自身の主張に、クロードの顔が真っ赤に染まった。
その反応に、ボーマンがにやりと笑う。
ボーマンはソレを何度か撫で上げると、クロードのズボンのベルトに手をかけた。

「やめっ・・・・・!」
クロードが慌ててそれを止めようと手を伸ばす。
しかしそれよりも早く、ボーマンがベルトをするりと抜き取った。
そのままベッドの横にそれを落とすと、さっさとクロードのズボンを脱がしにかかる。
「おいおい・・・・・。もうこんなになってんじゃねぇか・・・・。」
ズボンと一緒に下着も下ろして、ボーマンはそれを握り締めた。
すでに硬く立ち上がっているそれを、ぎゅっと握り締めると何度か擦り上げた。
「うあっ・・・・・!!」
ぎゅっと、クロードがタンクトップを握り締める。
そのクロードの表情に、ボーマンは自分が煽られるのがわかった。
コレはなかなかそそるかもしれない。

「クロード。声だせよ。」
「やっだっ・・・・!」
「強情だな・・・・・。」

きゅっと握り締めると、そのまま指の腹で何度か擦り上げる。
その後、ゆっくりとソレに舌を這わせた。
根元から先端へと・・・・・・裏筋から亀頭までを舐め上げる。
クロードの息が更に荒くなり、かたかたと震えだしたのを確認してから、すっぽりと口に含んだ。
先走りしはじめた液体をちろちろと舌で舐め取り、吸い出すように吸いつく。

「うっ・・・・あっ・・・・・・ぼ、ぼーまんさんっ・・・・・。」
クロードの手が、ボーマンの頭に添えられた。
ぎゅっと、髪の毛を鷲掴みにされる。
自分自身を咥えこんで、吸いつくその感触、蠢いて絡みついてくるねっとりとした舌。
根元は指で刺激され・・・・・。

「くうっ・・・・・!」

小さな呻き声と一緒に、クロード自身がビクビクと跳ねる。
口内に広がった独特の苦みを持ったソレを呑み込むと
ボーマンは更に吸い出すかのように先端に吸い付いた。
すべて口に含むと、ゆっくりと顔を上げる。
「ううっ・・・・・!」
汗で額にこびりついた前髪を指で拭うと、ボーマンは虚ろな瞳をするクロードの口に唇を重ねた。
ねっとりとした、粘り気のある液体が、クロードの口の中に入りこんでくる。
その液体の苦味に、クロードは一瞬でソレが何なのか気が付いた。

「うっ・・・・!!ごほっ、ごほっ・・・・・!!」
慌ててクロードが起き上がる。
きっ!!と、ボーマンを涙目で睨みつけると、クロードは喉を抑えた。
咳と共に出た液体が、唾液と混ざってねっとりと布団に落ちた。
それはクロードの唇から布団まで、てらてらと輝く糸をつくる。

「おいおい。自分のだぞ?」
「・・・・・・・っ!!」
クロードの唇の端から垂れた、白く粘り気のある液体をボーマンは指で拭った。
そしてそのまま、ぺろりと指先を舐める。
そのボーマンの仕草に、クロードの顔が更に真っ赤に染まった。

「やっぱり溜まってたんだな?」
目の前でいやらしく笑うボーマン。
クロードはさっさと起き上がると、乱れた服を整えようと
膝元で絡まっているズボンに手をかけた。
・・・・・・とその時。

「うわっ・・・・!!」
再びどさりと押し倒される。
「何するんですか!?」
「お前、自分だけ気持ち良くなるってのはズルイんじゃねぇの?」
ボーマンの顔が、妖しく笑った。
「ま、まさかっ・・・・・!」

クロードの顔色がさっと悪くなる。
逃げようとした瞬間、がしっと腰を抑えられた。
膝元で絡まったズボンのせいもあり、クルードは簡単に、ベッドにうつ伏せで寝かされる。

「大丈夫。慣らしてやるからさ。」
「ひゃああっ・・・・・!!」
ぬるりとした、感触。
普段自分でさえも触ったことの無いところに、突然その感触はやってきた。
荒い息を感じて、何をされているのかがわかる。

ボーマンはクロードの蕾に舌を当てると、丹念に舐め始めた。
ぴちゃりと、卑猥な音が辺りに響く。
クロード自身にもわかる、押し広げられている感触。
気持ちが悪いけれど、気持ちが悪いけれド・・・・・・
どこか、脳が痺れてきて、気持ちがイイような気がしてくる。
ボーマンは大分解れてきたソコに指を挿し入れると、押し広げて更に奥へと舌を忍ばせた。

「やめっ・・・・・!うわっ・・・・・!!」
「お前、素質あるよ。」
「うれしくないですっ・・・・・!!」
ふるふると肩を震わせて、その刺激に耐えるクロード。
その姿が更にボーマンを煽っているとは気がつかないのか。
普段そんなところ、自分でも触ったことが無い。

だから知らない。
わからなかった。
クロードには。
こんな刺激が、こんな感覚が・・・・・あるなんて。

指を一歩挿し入れ、くるくるとまわす。
クロードにはもうそれが快感なのか、不快感なのかわからなくなってきていた。
クロードが荒く呼吸をし、声を漏らしはじめる。

「うあっ、あっ・・・・!あっ。」
「なぁ・・・・?前立腺って、知ってるか?」
「ふあっ・・・・・!!」

指を2本に増やす。
押し広げて舌を挿し入れながら、空いている手はクロード自身をもう一度掴んでいた。
上下に擦りながら、後ろの蕾も刺激する。
クロードは頭が真っ白になりはじめていて、もう何がどうなっているのかわからなくなってきていた。
それでも必死に声は出すまいと、枕を握り締める手に力を込める。

「ソコを刺激すると、感じるんだぜ?」
くいっと、指を曲げる。
「うあああああっっっ・・・・・・!!!」
びくびくっと、クロードの身体が大きく震えた。
ボーマンの掌に、熱いものが放出される。
ボーマンの手に収まりきらなかったそれは、ポタポタと零れてシーツを濡らした。

「ビンゴ?お前やっぱ、素質あるわ。」
「ううううっ・・・・・!」

掌に付いたクロードの放った液を、ボーマンは自分自身に塗りつける。
クロードの蕾にも指を挿し入れ、丹念にそれを塗り付けた。
そしてゆっくりと・・・・・・今だに荒く呼吸を繰り返すクロードの蕾に自分の欲望を押し当てた。

「力抜けよ。」
「うっ・・・・・・!!!?」
ぐっと、押し入れる。クロードの身体が、堅く強張った。
異物感。
自分のソコを押し広げて入ってくるソレに、激しい痛みに、背中が大きく反りかえった。

「ああああっ・・・・・・!!」
「きつっ・・・・・!」

ボーマンの顔が、クロードの狭さに歪む。
キツク絡み付く内壁に、締め上げられて引き千切れそうだ。
これでも結構ならしたんだが・・・・と舌打ちする。
何度かゆっくりとした挿入を繰り返すと、だんだんと腰の動きをはやめた。

「うあっ・・・・・!!」
クロードのシーツを掴む手に力が込められる。
きつく絡みついてくる内壁。
耳に届く掠れた喘ぎ声。
感じてきているのか、クロードの口から漏れる声が苦痛によるものだけじゃなくなってきているコトに
ボーマンは気がついた。
「あっ、あっ・・・・・!あああっ・・・・・!!」
ギリギリまで抜いて、最奥へと突き立てる。
ぎしぎしと一定のリズムでベッドが軋み、結合部からは濡れた卑猥な水音が響く。
肌と肌のあたる音。
途切れ途切れの、泣き声にも似た喘ぎ声。
二人はもう何も考えられなかった。
頭にあるのは、今この時に感じている快感と、その先にある解放――――――――――。
「うああああっ・・・・・!!!」
「くうっ・・・・・!!」
びくびくと、クロードの身体が大きく震える。
その時のクロードの締め付けに、ボーマンもクロードの最奥へと、自身を解き放ったのだった。















「悪くはなかったろ?」
目の前で煙草に火をつけながらそう言う男を、きっ!ときつく睨みつける。
汗に濡れるその身体で、何を言いだすのかと思いきや、悪びれた様子もないその言葉。
「・・・・・・何言ってんですか。ったく。」
「でもお前と、身体の相性良かったぜ?お前もソレは感じたろ?」
「知りませんっ・・・・・!!」

にやにやと彼独特の笑い方で自分を見下ろしているボーマンから
さっと視線をずらすとそのまま布団に潜り込む。

こんなの無理矢理だ。強姦だ。そう思っても・・・・・。
心のどこかでまた違った思いがあった。
もしかしたら、本当に嫌だったら拒否しようと思えばできたのかもしれない。
なのにこうして、流されて・・・・・・・・。
もしかしたら・・・・自分は・・・・・。

そう思いかけて、嫌々と頭を振る。
どうかしてる。どうかしてるけれど・・・・・・・・。
もしまたこんなことがあったとしたら。
その時は・・・・・。

自分は拒否出来ない・・・・・いや、しないのかもしれない。






あとがき

某所に送った物ですね〜
ボークロ好きです
ちょっと無理矢理っぽくなっちゃったのは〜…
この頃色々ありまして
あまりにも私の苦手なカプの量に(苦笑)
切れたんです。ぷちっと。
で、「チクショー!クロードなんてっ(涙)!!ヤってやる!」
って、叫んで(問題発言すぎる)書きました
苦手なカプ…モロバレ(笑)

2002/02/01 まこりん



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