■■■ 変化


会話と会話の途切れた
ほんの僅かな合間。

その空間があの頃はなかったよね。
あったのかもしれないけど…

でもこんなに…苦しくなかった。















「だいたいいつもプリシスはさ〜!」
「なによっ!アンタ生意気っ!!」

口を開けばいつもケンカばかりして。
顔を合わせばいつもなにかと喋って。

わいわいがやがや。

いつもそんな空気ばかりだったのにさ。

「も〜〜〜〜〜……。」
「………ふん。」

あ。

また。途切れた。

最近よく途切れる会話。
ふっと隣を見上げれば、夕日に照らされたアンタがいて。

いつの間にアタシの身長を抜かしたんだろ。
いつかなんて覚えてないけど、あの頃のお互いの位置は今じゃ逆になってた。
今はアタシの目の高さにアンタの肩。

あの頃なかった喉仏。
顎から鎖骨にかけてのラインが、大人になってた。

それにふっと目をやったら、急に顔が熱くなった。
熱くなった顔に気がついたら、急に心臓がとくんとくんと鳴り始めて。

「………。」

コクリと飲み込んだ唾の音。

一度無言になるとお互い何も言わなくて。
まだほんの数分間かもだけど、なんだかずっと無言みたい。
ぎゅっと握り締めた手が妙に汗ばんで。

とてとてとてとて。
すたすたすたすた。

急にさっきまでの周りの音もしなくて、二人の足音だけが響いて。
ばくばく鳴り始める心臓。

「ったく…プリシスはかわんないなぁ〜。」

沈黙を破ったのはアイツだった。
でもアイツは別段いつもと一緒で、急に聞こえた低い声に
アタシだけがビクリと肩を震わせた。

ソレがなんだか悔しい。

「かわったトコ…あるもん。」
「どこ?」
「……さあね。」

悔しいから言ってやんないよーっだ。
心の中でイーってして、アイツを見れば少し不満そうな顔。
そういう表情には昔の面影があるよ。

「レオンにはきっとわかんないよ。」
「…わかってるよ。ってか…気付いてる。」

自信満々。
生意気そうな口調。
ニヤッと笑った口許。

変わってない、そんなトコ。

「……どういう意味よ?」

でもアタシに向けてきた瞳に、あのころの生意気な色はなかった。

かぁっと顔が赤くなったのが自分でもわかる。
夕日が当たってなかったら、きっとばれてた…ってかばれてるかも。

「だからー…プリシスの変わったところ。」
「………どこよ?」

軽く睨み付けてやると、レオンはふっと笑って。
ぱしっと、アタシの手をとってぎゅっと握り締めてきた。
それに思わず驚いて、手を引いたけれど力強く握りしめられていて。

「君が一番、わかってるんでしょ?」

にやりと笑う……レオン。

そしてトンっと…両胸の間を指で押された。

とくんっ!!大きく心臓が跳ねて。

あ〜〜〜まいった。
悔しいけど。
悔しいけど。
本当に悔しいんだけど!!



認めるよ。



アンタ、マジにズルイ。

こんなにカッコよくなるなんて思ってなかったもん。







あとがき

えへv
突発ショートです。
最近レオプリ萌えでして…!!!
プリシスの変わったトコ…ですが…
上手く伝わってるといいのですが…

書かなきゃわかっていただけないのは
力不足………!!
本当は後書きにソレを書こうかと思ったのですが…
止めときます…!
雰囲気で察してください〜(><)!

2003/01/29 まこりん



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