6はマリアの心境です。
普通にフェイネルを楽しみたい方は
飛ばしてもさしつかえないので飛ばしてください〜
不幸なマリアさんなので痛いです。


「………何してるのよ…。」

低い声が長い長い廊下に響く。
フェイトははっと顔を上げた。
自分を睨みつける彼女の蒼い瞳には、涙で潤んでいて。
その涙に戸惑う。

「何を…しているの…って…聞いているのよ。」

「え…マリ…ア…。」

どんっと胸を叩かれる。
蒼い髪が目の前に広がって、鼻先を彼女の髪の香りが霞めた。
そして次の瞬間、唇に感じた柔らかな感触に瞳を見開いた。

目の前に広がる彼女の顔。
伏せられた瞳から、一滴の涙が零れて。

「はやく戻りなさいよ!!」

どんっと再び胸を叩かれる。
さっきまで自分の唇に押し当てられていた、桜色の唇を噛み締めて、
蒼い瞳で自分を睨みつけて。
顔を真っ赤にさせて、そして涙で頬を濡らして。
彼女は―――マリアは…びしっ!!!と…今まで自分たちが向かっていた方向とはまったく反対の方を指さした。



■■■ Destiny  act.6



ばかなことをしたと思った。
ばかなこと。本当にばかなことを。
感情がこんな風に昂ぶったのは久しぶりだった。
自分の行動に歯止めがきかなかった。

『なんで…泣いて…?』

この後に及んでそんなことを聞いてくるあいつが憎かった。

『…ごめん。』

この後に及んでそう言いながら、涙を拭おうとするアイツが憎かった。

『…あなたのそういうとこが……。』

自分の涙を拭おうと伸ばしてきたアイツの手をぱしっと払いのけて睨みつける。

『嫌いだわ。』

そう言った私に苦笑して、アイツは…私に背を向けて。
軽く足音を立てて走り出す。
その華奢な背中が小さくなっていくのを見ていたら…どんどんと涙が込み上げてきて。

こんな風に泣いたのも久しぶり。

止めど無く込み上げてくる涙にむせそうになる。

『………嫌いよ。』

嘘吐きな唇。
泣くほど好きだったくせに。
アイツの目にネルが映っているのに気が付いた時のあの衝撃。
ネルの目にアイツが映っているのに気が付いた時のあの衝撃。

私がアイツをみていたからこそ、気がついたそのことに。

自分がアイツをみていたと言うことに気が付いた時の衝撃。
そしてその理由に気が付いた時の…あの…どうしようも無い気持ち。

ばかなことをした。

身体が勝手に動いた。

このあとフェイトとネルがどうなるのか。
考えたら身体が勝手に動いてた。
これからも暫くは一緒にいるのに…気まずくなるのは避けたかったのに。
もしかしたらネルは一緒にくるのかもしれない。

でも…1度くらい…いいじゃない。

私にだって…少しくらい…いいじゃない。

たまには幸せを夢みたいのに。

たまには…私だって…幸せになってもいいじゃない。

「…ばかね。」

こつんと足元の床を蹴る。





「こんなの…ちっとも幸せじゃない。」





ぽたっとまた1つ―――雫が零れた。




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あとがき

6話目おわったー
すいません…マリア→フェイネルが好きなんです…
マリアさんがフェイト好きなのダメな方スミマセン
折角なんでマリアの心境も書いとこうかと思いまして。

さてはて次こそ本当に終りますですー。

ということで不幸話は嫌いな人もいると
気付かされたので注意書き追加です。

2004/04/01 まこりん



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